知財訴訟Q&A

特許 PATENT

模倣品・コピー商品への対応

ご質問内容

わが社甲は電化製品Xを製造・販売していますが,このほど通販雑誌のカタログ等を確認したところ,ライバル会社乙がXとほぼ同じ構造である電化製品Yを販売しているのを発見しました。どのように対応すればよろしいでしょうか?

松本からの回答

専門家と相談して貴社の保有している知的財産権の侵害の有無を調査し,侵害していることが判明した場合は,警告書を送付するのがよろしいでしょう。
貴社が電化製品Xの製造・販売に先立って,特許権,実用新案権,意匠権及び商標権といった知的財産権について,特許庁の登録を経ている場合,まずはこれらの権利の侵害があるかどうか調査することになります。また,上記の検討と合わせて,あるいはそもそも権利の登録がなかったケースなどでは,著作権法に基づく権利行使や不正競争防止法・民法709条の一般不法行為により権利行使の可否を調査することになります。こうした侵害調査を経て,権利侵害があるという結論を得た場合,いきなり提訴するケースもないではないですが,どちらかというとそういったケースは少なく,まずは根拠を示して相手方に警告書を送付することから着手します。提訴して法的手続を進める場合,権利者側としても,弁護士・弁理士の費用や担当する従業員の実働時間等,相当の手間暇や費用を覚悟しなければならないですし,実際の実務では早期解決を志向して多くのケースで和解が成立することも多いためです。 ただし,警告書を送付する相手方の選択は慎重に行う必要があります。知的財産権の侵害があると思って,商流の川上の製造元だけではなく,川下の販売店に対してまで警告書を送付していると,後に特許権侵害ではないと裁判所から判断されてしまった場合,こうした警告書の送付が「競争関係にある他人の営業上の信用を害する虚偽の事実を告知し,又は流布する行為」(不正競争防止法2条1項15号)に該当するおそれがあるためです。こうした侵害の有無は,専門的判断を伴うため,専門的知見を有する弁理士もしくは弁護士に相談されるのが普通であり,警告書の送付は,後の訴訟提起の前哨戦という意味もあることから,弁理士名義だけで行う場合もありますが,弁護士名義もしくは弁護士・弁理士の連名の名義で送付することも多くあります。